ケンタと学ぶ 相馬眼の新理論

1-15.加速力と持続力

短い時間で速度を上げられる加速力に優れる馬もいれば、上がった速度が落ちにくい持続力に優れる馬もいます。それぞれの馬では得意なコースやレース展開が違ってきます。

加速力とは持続力とは

いまいち加速力がなにで持続力がなにかわからないんだけど。

加速力は短い時間で速度を上げられる能力のことで、持続力は上がった速度が落ちにくい能力のことです。と言葉で説明しましたが、下のイメージがわかりやすいかもしれません。

進んだ距離を見ると、ある一定の時間までは加速力に優れた馬が遠くまで進めるが、その時間を超えると持続力に優れた馬が遠くまで進めるようになる。
これはゴール板の位置がどこかで勝ち負けが変わってくるということだ。ゴール版が手前に設置されてれば加速力の馬が勝つし、ゴール板が遠くに設置されていれば持続力の馬が勝つ。

あーなるほど。

基本的には直線の短いコースは加速力が求められ、直線の長いコースは持続力が求められます。

ふーん。

いまいち反応薄いが、加速力と持続力はわかると結構役に立つぞ。例えば皐月賞とダービー。
直線の短い皐月賞では加速力が求められ、直線の長いダービーでは持続力が求められる。馬の加速力と持続力を考慮すれば馬券が当たるようになるということだ。

それはすごいね。

加速力と持続力はトレードオフの関係にあり、加速力が上がれば持続力が下がるというように、加速力か持続力のどちらかに傾きます。どのような馬が加速力または持続力に傾くのか、詳しく見ていきましょう。

前負重・後負重

加速力と持続力にはまず、その馬が前負重なのか後負重なのかが関わってきます。(→1-11.前負重か後負重か

後負重の馬ほど加速力に、前負重の馬ほど持続力に傾くようになります。

後躯は馬体を加速させる作用で、前躯は加速がついた馬体を前に移動させる作用だったな。これはそのまま捉えてもらえばいい。
後躯の作用が強い後負重の馬は加速力に傾くし、前躯の作用が強い前負重の馬は加速が終わった後の速度が落ちにくい、つまり持続力に傾く。

後負重は加速力、前負重は持続力だね。

引き戻しの速さ

距離適性に関わる引き戻しの速さは、加速力と持続力にも関わってきます。(→1-13.引き戻しの速さ

その馬の引き戻しの速さに最も合った距離よりも、長い距離を走る場合は加速力が上がり、短い距離を走る場合は持続力が上がります。

極端な例を考えるといいかもしれない。もし引き戻しが遅い長距離馬が短距離レースにでたら、出せる最大速度が遅いから加速力で置いていかれてしまい、一生懸命走ってても不本意ながら持続力型になってしまう。

逆に引き戻しが速い短距離馬が長距離レースにでたら、最大速度は速いから加速力は出るが、脚は持たないので持続力はなくなってしまう。

うーん。なるほどね。

スタンス期中の負重時期

前肢と後肢のスタンス期中の負重時期も加速力と持続力に関わってきます。(→1-6.スタンス期中の負重時期

スタンス期中の負重時期が早いほど加速力に傾き、遅いほど持続力に傾きます。

これは肢と地面の速度の関係によって生まれると考えています。

加速する局面では地面の速度は遅く、肢の速度は速くなっています。この条件のときは、スタンス期の早い時期に負重しやすくなります。

そしてスタンス期の遅い時期に負重する馬よりも、早い時期に負重する馬の方が地面に加える力を強くすることができます。

加速して最高速度に達した後減速する局面では、地面の速度は速く、肢の速度は遅くなっています。この条件のときは、スタンス期の遅い時期に負重しやすくなります。

そしてスタンス期の早い時期に負重する馬よりも、遅い時期に負重する馬の方が地面に加える力を強くすることができます。

説明が雑だぞ。

理由はよくわからないけど、スタンス期中の負重時期が早いほど加速力に、遅いほど持続力に傾くんだね。

まあとりあえずはその理解で十分か。

はい。

筋肉のやわらかさ

筋肉のやわらかさも加速力と持続力に関わってきます。(→1-2.筋肉の質

筋肉はやわらかいほど加速力に傾き、硬いほど持続力に傾きます。

これも肢と地面の速度の関係によって生まれると考えています。

加速する局面では地面の速度は遅く、肢の速度は速くなっています。このときは、肢に力はかかりやすいけど肢の速度は出にくいという状態です。[パワー=力の強さ×動きの速さ]なので、この条件のときは力の強さが上がるよりも、動きの速さが上がる方がパワーは強くなります。

そして、動きの速さが上がるのは硬い筋肉ではなくやわらかい筋肉です。これがやわらかい筋肉ほど加速力に傾く理由です。

そして加速して最高速度に達した後減速する局面では、地面の速度は速く、肢の速度は遅くなっています。このときは、肢に力はかかりにくいけど肢の速度は出やすいという状態です。そしてこの条件のときは動きの速さが上がるよりも、力の強さが上がる方がパワーは強くなります。

力の強さが上がるのは硬い筋肉で、硬い筋肉ほど持続力に傾きます。

これも難しかったら「筋肉はやわらかいほど加速力に、硬いほど持続力に傾く」。これで十分だぞ。

はいよ。