ケンタと学ぶ 相馬眼の新理論

1-11.前負重か後負重か

前負重とは、後負重とは

勝手ながら、より前肢に負重することを前負重(まえふじゅう)、より後肢に負重することを後負重(うしろふじゅう)と呼ぶことにします。

負重ってなんだっけ。

体重がかかること、力が加わることを負重すると言う。まあこの場合は、その馬が前肢と後肢どっちの肢の方が接地を長く、地面に加える力を強くできるかってことだ。

なるほど。

前躯と後躯では働きが違うため、どちらにどれだけ負重するかで適性が違ってきます。後々説明しますが、坂への適性や加速力・持続力の違いなどに表れます。

前負重か後負重かは何で決まる?

前負重か後負重かは、前肢と後肢の動き、体躯の挙上と保持の動き、頸の動きが関わってきます。そして前肢と後肢の動きには、前肢と後肢の長さの比が関わってきます。(→1-9.体躯の挙上と保持1-10.頸の動きと作用

ふーん。前肢と後肢の動きはそのままだよね。あと体躯の挙上と保持の動き、頸の動きも肢が地面に加える力を強くするんだったよね。これもわかるよ。
前肢と後肢の長さの比?がよくわからないけど。

前肢と後肢の長さの比ですが、とりあえずは前肢が後肢に比べて長いほどより前肢に負重するようになり、後肢が前肢に比べて長いほどより後肢に負重するようになるという理解で大丈夫です。(詳しいことは馬体編で説明します。)

長い方に負重するんだね。

あとは馬場などの環境によっても変わってくるが、まあ細かいことはいいだろう。(前肢は引く動きが強くて後肢は押す動きが強い馬とかは、馬場状態によって前負重か後負重かが変わってくる。)

前躯と後躯それぞれの作用

前躯も後躯も推進力を生むという点では同じですが、細かく見るとその作用は異なります。
後躯は馬体を加速させる作用があり、前躯は加速がついた馬体を前に移動させる作用があります。(前躯はこのとき馬体を減速させます。)

後躯は加速、前躯は減速。加速と減速の繰り返しで前に進んでいくというわけだ。
減速なんてない方がいいんじゃないの?と思うかもしれないが、減速がないというのは加速ばっかりで走行スピードが上がり続けるということだ。そんなのは現実ではあり得ない。一定の速度で走っているのなら、加速と減速は常に同じにならなきゃいけない。

ふーん。

まあ前躯もわざと減速させようと思って減速させてるわけじゃないしな。しかたなく減速させてしまうという感じだ。
本気で減速させようと思えば引き戻しの動作をしなければいいわけだし、引き戻しを強く(地面に加える力を強く)するというのはなるべく減速を少なくしようとしてるということだ。

基本的な話だが、減速が少なくなれば走行スピードは速くなっていく。そして走行スピードが速くなっていくと地面との摩擦や空気抵抗、つまり減速が増えていく。それが釣り合うところが走行スピードになるというわけで、減速を少なくしようとすると速く走れるというわけだ。

何か面倒くさい生き物だね馬って。

確かにわからんでもないが、そうなると4足歩行の動物はみんな面倒くさい生き物になるぞ。

じゃあ犬とか猫とかも後躯は加速、前躯は減速ってこと?

まあそうだな。

へー。

このような作用の違いがあるため、どちらにより負重するかで適性の違いが生まれるのです。次は坂への適性を見ていきます。