1-9.体躯の挙上と保持
ここまでは前躯と後躯の動きを詳しく見てきましたが、それ以外の体躯と頸の動きも推進力に関わってきます。
体躯と頸の動きはどちらも、前肢・後肢が地面に加える力を強くして推進力をプラスする作用があります。
人間が走るときに腕を振るのと同じ感覚だな。
確かに腕を振らないと上手く進めないよね。
肢が地面に加える力の内、何割かは体躯と頸の作用によるものだ。
何割かって何割なの?
そこを突かれると痛いんだが。正直今はよくわかっていない。
まずは体躯の動き、「体躯の挙上と保持(たいくのきょじょうとほじ)」を見ていきましょう。

後方回転の体躯の挙上と保持
後肢のスタンス期では、後肢からの力により体躯が前方に倒れる向きに回転しようとします。
この回転に対抗するように、反手前後肢が着地する前から体躯は後方へ回転して、着地後に回転が止まります(挙上)。

回転が止まった後から体躯は前方へ回転しますが、この前方への回転を遅くするために後方へ回転させる力でブレーキをかけます(保持)。

この挙上と保持の動きは背中の筋肉のパワーが関わってきます。背中の筋肉のパワーが強いほど挙上も保持も強くなり、そして挙上と保持が強いほど後肢が地面に加える力を強くすることができます。


地面に加える力が強くなる理由
何が起こってるのかわかりづらいなら、そうだな、着地前から回転するのは竹刀が上から振ってきた場合を考えるといい。無回転で竹刀が振ってくるよりも、回転した竹刀が振ってくる方が痛い。痛いというのはそれだけ力が加わっているということ。つまり後肢に力が加わるということだ。

着地後に回転する力をかけるのは竹刀を上からグリグリされる場合を考える。片手持ちでグリグリされるよりも両手持ちでグリグリされる方が痛い。これは下に押さえつける力が増えるというのもあるが、回転の力が加わるから痛いんだ。

わかるっちゃわかるけど。(痛いのと竹刀好きだよね。)

前方回転の体躯の挙上と保持
前肢のスタンス期では、前肢からの力により体躯が後方に倒れる向きに回転しようとします。
この回転に対抗するように、手前前肢が着地する前から体躯は前方へ回転して、着地後に回転が止まります(挙上)。

回転が止まった後から体躯は後方へ回転しますが、この後方への回転を遅くするために前方へ回転させる力でブレーキをかけます(保持)。

この前方への回転の挙上と保持の動きは腹部の筋肉のパワーが関わってきます。腹部の筋肉のパワーが強いほど挙上も保持も強くなり、そして挙上と保持が強いほど前肢が地面に加える力を強くすることができます。

後方への回転の逆だね。
前肢バージョンといった感じだな。

挙上と保持それぞれの強さの違い
挙上と保持の強さは、挙上の強さと保持の強さの合計で決まります。一口に挙上と保持が強いと言っても、挙上の方が強いのか保持の方が強いのかは馬によって違うのです。
ただどちらがどれだけ強くても、最終的にどれだけ地面に加える力を強くできるかはあくまで合計の挙上と保持の強さが決めます。
挙上5保持10で合計15と、挙上8保持7で合計15では、地面に加える力を強くする作用は変わらないということだ。
なるほど。
これは詳しく知りたい人向けの余談的な話ですが、挙上と保持どちらが強いかは背中のやわらかさと体躯の長さで決まります。
まず背中のやわらかさですが、やわらかいほど保持が強まり、挙上が弱まります。そして硬いほど挙上が強まり、保持が弱まります。

また体躯は長いほど保持が強まり、挙上が弱まります。そして短いほど挙上が強まり、保持が弱まります。

これは今はあまり考えなくていいぞ。3.馬体編 では詳しくやるがな。
馬体編好きだね。