1-13.引き戻しの速さ
ここでは「引き戻しの速さ(ひきもどしのはやさ)」というものについて説明していきます。
ちなみに引き戻しの速さなんて言葉は、私しか使っていない全く一般的ではないものです。聞きなれないかもしれませんが、説明するのが楽なので使わさせていただきます。
まあ楽な方がいいよね。
楽ばかりしてるとダメだがな。

引き戻しの速さとは
引き戻しの速さとは引き戻し期と振り出し期の時間の比のことを言い、引き戻し期が短いことを引き戻しが速い、引き戻し期が長いことを引き戻しが遅いと言います。

確かに、いちいち引き戻し期と振り出し期の時間の比で~期が長くて~とか、言われる方も面倒くさいね。

推進力の性質の違い
引き戻しの速さは地面に加える力の強さとは関係のない独立したものです。速いと聞くと良いイメージを持つかもしれませんが、引き戻しは速い方が良いといったものではありません。もちろん引き戻しが速いと地面に加える力が強くなるわけでも、推進力が強くなるわけでもありません。
では引き戻しの速い遅いで何が違ってくるのかと言うと、推進力の性質が違ってきます。
初めの方に話をした推進力の定義をもう一度見てみます。「推進力は、エネルギーを使ってどれだけ速く、どれだけ効率よく進めるかという能力」。推進力にも「速く」と「効率よく」という2つの性質があることがわかります。

結論から言うと、引き戻しが速いとより速く進む能力に、引き戻しが遅いとより効率よく進む能力に推進力が傾きます。

なんのためにこんな話をしているかピンときてないな?
ちなみに次のページは1-14.距離適性だ。距離適性というワードを聞いたらなんとなくわかるんじゃないか?
速く進む能力が短距離で、効率よく進む能力が長距離ってこと?
そうだな。ネタバレしてしまうが、引き戻しが速い馬は速く進む能力が問われる短距離を得意とし、引き戻しが遅い馬は効率よく進む能力が問われる長距離を得意とする。
なるほど。
引き戻しの速さ(=速く進む能力に傾くか効率よく進む能力に傾くか)は、肢の長さと体の重さで決まります。

肢の長さ
ここでは肢の長さを、前肢は肘関節から下の長さ、後肢は膝関節から下の長さのこととします。
(正確に言えば、前肢は肘関節より上の部分(肩甲骨+上腕骨)の長さに対するそれより下の長さ、後肢は大腿骨に対するそれより下の長さです。)
肢が短い馬はどっしりと重心を低く見せ、肢が長い馬は四肢をスラっと長く見せます。

実際はこの画像ほど極端な馬はいない。ちょっと肢の長さを誇張しすぎてるな。
肢の長さは引き戻しの速さに影響を与え、肢が短いほど引き戻しが速くなり速く進む能力に、肢が長いほど引き戻しが遅くなり効率よく進む能力に推進力が傾きます。
実際スプリンターは肢が短い馬が多いし、ステイヤーは肢が長い馬が多い。
へー。

体の重さ(筋肉の重さ)
体の重さと言っていますが、だいたいこの上部の重さです。

内臓や脂肪の重さも含まれるのですが、一番多くを占め一番重要なのが筋肉の重さです。体の重さは筋肉の重さが決めると言ってもいいかもしれません。
そんな重要な筋肉の重さは、
・筋肉量
・筋肉のゆるさ
によって決まります。
筋肉の量が多いほど、またゆるさがないほど筋肉は重くなります。
筋線維は重い。だからゆるさがない筋肉ほど重くなる。
うん。
筋肉量は多いほど重くなる。これは当然のことだな。
この体の重さ(筋肉の重さ)も引き戻しの速さに影響を与えます。重いほど引き戻しが速くなり、速く進む能力に推進力が傾きます。そして軽いほど引き戻しが遅くなり、効率よく進む能力に推進力が傾きます。
筋肉量に限った話だが、スプリンターはムキムキの馬が多くてステイヤーはシュッとした体つきの馬が多いってのはよく言われるな。