2-3.後肢の動き
常歩での後肢の動きを見ていきます。
ここからは歩様からフォームを推測していく内容になりますが、後肢の動きに限らず、歩様とフォームの動きの特徴は「連動する」ということを頭に入れておけば大丈夫でしょう。
歩様の特徴はそのままフォームの特徴になるということだ。
はい。
肢の動きは歩きと走りでそんなに変わらない。
(→1-3.後肢の動き )

背中の動き
背中の動きは歩様でも同じで、「後肢の振り出しのときに曲がり、引き戻しのときに伸びる(反対方向に曲がる)」です。

少し注意がいるのが、同時に左右方向にも曲がるということです。背中が曲がるときは、手前側にも曲がり、背中が伸びるときは反対側に曲がります。
言葉で説明するより、図で説明した方がいいかもしれません。

このように上下方向と左右方向に曲がります。
左右方向にも曲がる。だが別に意識しなくていいだろう。
じゃあ走りのときと同じ感じで見ればいいんだね。
だな。
1.振り出し期の最初
背中は最も伸びている状態です。
肢の振り出しと連動して曲がり始めます。

2.振り出し期
背中が曲がっていきます。

3.振り出し期の最後
振り出しが終わり、最も曲がっている状態になります。

4.引き戻し期の最初
背中は最も曲がっている状態です。
肢の引き戻しと連動して伸び始めます。

5.引き戻し期
背中が伸びていきます。

6.引き戻し期の最後
引き戻しが終わり、最も伸びている状態になります。

(1に戻る)
曲がりの大きさは馬によって違い、背中がやわらかいほど大きくなります。背中のやわらかさは骨格のやわらかさに分類されます。

腰仙関節の動き
腰仙関節の動きは歩様でも同じで、「後肢の振り出しのときに曲がり、引き戻しのときに伸びる」です。
少し注意がいるのが、同時に左右方向にも曲がるということです。腰仙関節が曲がるときは、手前側にも曲がり、腰仙関節が伸びるときは反対側に曲がります。

背中と同じで左右方向にも曲がる。だが、背中と同じで別に意識しなくていいだろう。
1.振り出し期の最初
最も伸びている状態です。
肢の振り出しと連動して曲がり始めます。

2.振り出し期
曲がっていきます。

3.振り出し期の最後
振り出しが終わり、最も曲がっている状態になります。

4.引き戻し期の最初
最も曲がっている状態です。
肢の引き戻しと連動して伸び始めます。

5.引き戻し期
伸びていきます。

6.引き戻し期の最後
引き戻しが終わり、最も伸びている状態になります。

(1に戻る)
腰仙関節がやわらかいほど角度の変化は大きくなります(よく曲がりよく伸びます)。腰仙関節のやわらかさは骨格のやわらかさに分類されます。

股関節の動き
股関節の動きは歩様でも同じで「後肢の振り出しのときに曲がり、引き戻しのときに伸びる」です。
1.振り出し期の最初
最も伸びている状態です。
肢の振り出しと連動して曲がり始めます。

2.振り出し期
曲がっていきます。

3.振り出し期の最後
振り出しが終わり、最も曲がっている状態になります。

4.引き戻し期の最初
最も曲がっている状態です。
肢の引き戻しと連動して伸び始めます。

5.引き戻し期
伸びていきます。

6.引き戻し期の最後
引き戻しが終わり、最も伸びている状態になります。

(1に戻る)
股関節の角度の変化の大きさは筋肉のやわらかさに依存します。筋肉がやわらかいほど角度の変化は大きくなります(よく曲がりよく伸びます)。
後肢の中で股関節だけが筋肉のやわらかさだったな。

膝関節と飛節の動き
膝関節と飛節は連動して動きます。膝関節が曲がれば飛節も曲がり、膝関節が伸びれば飛節も伸びる構造になっています。
背中、腰仙関節、股関節の可動域の要素とは違い、膝関節と飛節はバネの要素です。
スタンス期に伸びていたものが縮んでまた伸びる。歩きは走りと比べると負重が弱いから、走るときほど縮まないが。
1.振り出し期の最初
最も伸びている状態です。
肢の振り出しに合わせて曲がり始めます。

2.振り出し期の中間
最も曲がっている状態になります。
そして今度は伸び始めます。

3.振り出し期の最後
振り出しが終わり、再び最も伸びている状態になります。

4.引き戻し期の最初
最も伸びている状態です。

5.スタンス期
着地後に曲がり始め、その後(引き戻し期の中で)最も曲がった状態になります。
それを過ぎると今度はまた伸び始め、肢が地面を離れるときには最も伸びた状態になります。

6.引き戻し期の最後
最も伸びている状態です。

(1に戻る)
バネの要素だから、やわらかいと接地が長くなる。
走りのときと変わらないんだね。

繋(球節~蹄)の動き
繋もバネの要素です。スタンス期に球節が伸びることでバネとして働きます。スタンス期の球節の動きを見れば十分でしょう。

1.スタンス期の直前
球節は曲がっても伸びてもいないニュートラルの状態です。

2.スタンス期
球節は着地後に伸び始め、その後最も伸びた状態になります。
それを過ぎると今度は曲がり始め、肢が地面を離れるときにはニュートラルの状態になります。

繋全体としては伸びていたものが一度縮んでまた伸びる。歩きは走りと比べると負重が弱いから、走るときほど縮まないが。
それとバネの要素だから、やわらかいと接地が長くなる。
ちなみにバンデージをしていると繋(球節)は硬くなるぞ。
そういえばそうだったね。

接地を長く、地面に加える力を強く
歩くときの接地を長く、地面に加える力を強くする動きは、走るときの接地を長く、地面に加える力を強くする動きに結びつきます。
歩きでの接地が長いと走りでの接地も長くなり、歩きでの地面に加える力が強いと走りでの地面に加える力が強くなるのです。
実際はパドックとレースでは、地面(馬場)の違いと騎手が乗っているかどうかの違いがあるので、歩くときの接地を長く地面に加える力を強くする動きが、そのまま走るときのものになるわけではありません。地面に加える力の補正が必要になります。
補正?なにそれ。
それはまた後で。馬場適性と上へのパワーのところで説明する。

スタンス期中の負重時期
(→1-6.スタンス期中の負重時期 )
常歩でのスタンス期中の負重はこうなっています。

ピークが2つある。これは常歩特有のものだ。
凹に似てるね。
不思議に思うかもしれないが人間だって、歩いているときはピークが2つになるぞ。
へー。
常歩のスタンス期前期(1つ目の山)の負重が、走るときのスタンス期前半の負重になり、常歩のスタンス期後期(2つ目の山)の負重が、走るときのスタンス期後半の負重になります。

・早い時期に負重する馬

・遅い時期に負重する馬

歩いてるところを見ても、ピークが2つあるってわからないね。
まあそうだろうな。あと実践的にもあまり気にする話ではない。
結局早い時期に負重する馬は早い時期に負重するし、遅い時期に負重する馬は遅い時期に負重する。歩くときでも走るときでもこれは変わらないからな。