ケンタと学ぶ 相馬眼の新理論

1-7.ダート適性と早い着地

ダートが得意な馬の特徴を見ていきます。早い着地がポイントになります。

馬券的にも結構役に立つ内容かもな。ダート替わりでどうだとか、芝替わりでどうだとか。
よくパワーが大事と言われてるが、それは間違いで走法(早い着地ができるか)が大事になってくる。

早い着地ね。覚えとく。

ダートの馬場の構造

ダートの馬場は一番上にクッション砂の層、その下に硬い上層路盤という構造をしています。

クッション砂は砂浜のようなもので、この層では肢から地面に力を加えることはあまりできません。人間も砂浜だと走りにくいのと同じですね。

推進力を得るためには地面に力を加えることが必須ですが、それは上層路盤に着地してから行われます。ダートを走る馬はクッション砂の層ではなく、上層路盤に着地してから地面に力を加えるのです。

ここで説明してるのは乾燥してるダートの場合な。水分を含んだダートについては最後に説明する。まあ水分を含んだ砂浜みたいなものだけどな。

ダート適性=早い着地ができるか

ダートを走る馬は上層路盤に着地してから地面に力を加えます。では地面に加える力を大きくするには上層路盤への着地は早い方が良いでしょうか、遅い方が良いでしょうか。

早い方がいいでしょ。

そうです。というかそれこそがダート適性です。「ダート適性=上層路盤への早い着地ができるか」です。

ふーん。

クッション砂の層が良く言えば衝撃を吸収する、悪く言えば上層路盤への着地の邪魔をすることになる。
上層路盤への着地が早いとは、クッション砂の層を早く突き抜けられることとイコールだ。

では、どういった馬がクッション砂の層を早く突き抜け、上層路盤への早い着地が可能になるのか、見ていきましょう。

バネ要素の硬さとダート適性

後肢では飛節と繋、前肢では繋がバネ要素だな。

(→1-3.後肢の動き1-4.前肢の動き

肢のバネ要素は硬いほどクッション砂の層を早く突き抜け、上層路盤への早い着地が可能になります。

やわらかいバネ要素はクッション砂の層で「フニャる」から上層路盤への着地は遅くなってしまう。

フニャるとよくないんだね。

可動域の要素は関係ないの?

可動域が変化するだけで上層路盤への着地の早さは変わらないからな。

スタンス期中の負重時期とダート適性

ダート適性にはスタンス期中の負重時期も関わってきます。(→1-6.スタンス期中の負重時期

スタンス期のより早い時期に負重するほど、クッション砂の層を肢が早く突き抜け、上層路盤への早い着地が可能になります。

ここでスタンス期中の負重時期が出てくるんだね。

これも何となくわかるだろ?

うん。スタンス期の早い時期に負重する方が突き抜ける感じするよね。

そんなイメージで大丈夫だ。

前肢と後肢でダート適性が違う場合

ちなみに、前肢は早い時期に負重するけど後肢は遅い時期に負重するみたいに、前肢と後肢でダート適性が違う場合はどうなるの?

ダート適性は前肢と後肢のダート適性の合計で決まる。前肢と後肢を合計しなきゃいけない。

前肢と後肢の合計か。まあ普通に考えたらそうか。

ダート適性とダートでの推進力

実践ではあまり意識しなくていいことだが、バネ要素の硬さとスタンス期中の負重時期は、バネ要素が硬ければ硬いほど、より早い時期に負重すればするほどダートでの推進力が強くなるというわけではない。あくまでダートに適性が傾くということだ。

ん?

こんなグラフがわかりやすいかもしれません。

ダート適性のグラフ

このグラフの左端を見ると適性は思いっきりダートに寄っているが、ダートでの推進力は理想のときより落ちているだろ。
バネ要素の硬さで言えば、硬ければ硬いほどダートに適性が傾いていくが、ある一定の硬さを超えるとダートでの推進力も落ちてしまう。
まあ極端なのは良くないって話だ。

なるほど。

一応実践で意識するとしたら、砂の厚さが変わる場合だな。地方では競馬場ごとに砂の厚さが違ってて、クッション砂が厚いほどダートに適性が寄っている馬が有利になる。
が、いくら砂が厚くてもやはり極端なのは推進力が落ちてしまう。

はい。

馬体重とダート適性

馬体重があることもクッション砂の層を肢が早く突き抜けること、そして上層路盤への早い着地に結びつきます。

これはイメージしやすいね。重い方が突き抜けやすそうだもんね。

ダートでは馬格がある方が有利になるということだ。

水分を含んだダートの場合

クッション砂は水分を含むほど砂同士の結合が強くなり、クッション砂の層でも肢から地面に力を加えられるようになります。これは濡れた砂浜だと走りやすくなるのと同じです。

上層路盤への着地の必要性を考えると、クッション砂が濡れていくほど徐々に早く着地する必要性はなくなっていきます。クッション砂の層でも肢から地面に力を加えられるようになるからです。

そして最終的にはクッション砂の層だけで肢から地面に力を加えられるようになり、上層路盤に着地しなくなります。

これはダートの馬場が濡れていくほど、ダート適性(=上層路盤への早い着地ができるか)のない馬でも走れるようになることを意味します。先程のグラフで言うと、ダートの馬場が濡れるほど理想が右にズレるということです。

濡れるほどダート適性が重要じゃなくなるのはわかったけど、グラフの意味がよくわからないかも。

例えば適性が完全にダートに寄っている馬Aと、そんなにダートに寄っていない馬Bがいたとする。

乾いたダートのときに2頭を比べてみると、馬Aの方が上にあって有利なのはわかるな。(微妙な違いだが。)濡れたダートだと今度は馬Bの方が上になって有利になる。

なるほどね。

ただ濡れたダートの適性は次の、馬場適性と押す動き・引く動きも関係してくるから、実際には今説明したように単純ではない。

ふーん。じゃあ次いく?

疲れたからちょっと休憩。

えー。

まあ頭の整理も大事だ。ここまでの内容が大丈夫そうなら次のページに進んでくれ。