2024年ドバイワールドカップデー、ローレルリバー、タズはドーピングをしていたのか。走りと体つきから考察してみた。
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2024年ドバイワールドカップデー。ローレルリバーとタズは、それぞれドバイワールドカップとドバイゴールデンシャヒーンを「圧勝」しました。
両馬ともB・シーマー厩舎の所属で、期待を大きく上回るパフォーマンスでの勝利に、「ドーピングをしているのではないか」との疑惑の声がちらほら挙がりました。私も当時、両馬の走りに違和感を覚えた人間の一人です。
ただ、私が覚えたその違和感は、同じ厩舎で圧勝したからではありません。走りと体つきが他馬と違っていたのです。

走りと体つきの両方から判別できる
私は走りと体つきから、その馬がドーピングをしているかどうかがわかります。と、宇宙と交信してそうなヤバそうなことを言いましたが、ヤバくない人間です。ちゃんとした判断基準があり、ちゃんと見分けられます。
今回の本題ではありませんが、どのように判断しているかは以下の記事にまとめています。
・走りから見分ける方法
疲労しにくくなる効果のあるドーピング(筋肉増強剤の使用、気管支拡張剤の使用、血液ドーピングなど)をしているかどうかがわかります。
→走っているときのスタンス期の割合や、地面から加わる力が解析できるモデルの提案。ドーピング検知への応用も。
・体つきから見分ける方法
筋肉増強剤を使用しているかどうかがわかります。筋肉増強剤の主な効果は疲労しにくくなる効果です。特殊な場合を除いて「筋肉増強剤を使用した⇒疲労しにくくなる効果のあるドーピングをした」と考えていいでしょう。
→筋肉増強剤を使用した人や馬は、筋肉を見ただけでわかります。その筋肉の特徴について解説します。

ローレルリバー、タズの走りを分析してみた
結論から言うと、ローレルリバーの走りもタズの走りも、疲労しにくくなる効果のあるドーピングをした馬の特徴に当てはまりました。
興味のある人は続きを読んでみてください。
疲労しにくくなる効果のあるドーピングをした馬は、スパート中のスタンス期中の負重時期(早期負重度)があまり変化しません。スタンス期中の負重時期(早期負重度)とは、着地に近い時間帯と離地に近い時間帯、どちらがどれだけ地面に体重をかけているか、ということです。自分だけしか使っていない用語ですが。
スパート中は段々とスタンス期の早い時期により負重するようになるのですが、疲労しにくくなる系のドーピングをしているとこの変化が極端に小さくなります。ここで言うスパートとは、全力近くを出しているときのことです。
・ローレルリバーの走り
ドバイワールドカップでのローレルリバーの走りを見てみましょう。スパート開始は直線入ってすぐに手間を変えたところ、そこからゴールまでスパートをしています。他の馬は4コーナーからスパートを開始していますが、コーナーを曲がっているときのスタンス期中の負重時期はまた特殊な処理が必要なので、直線に入ってからの走りで比べると良いでしょう。
ローレルリバーは他馬と比較すると、スパート中のスタンス期中の負重時期(早期負重度)があまり変わらないことがわかります。(私には、ですが。スタンス期中の負重時期の変化を見慣れていないと難しいかもしれません。)
また、疲労しにくくなる効果のあるドーピングをした馬の走りの特徴として、「同じくらい強い馬と比較して、スパート中に速い脚は使えずトップスピードは遅いものの、ジワジワと伸びて最後までバテない」というものがあります。ローレルリバーの走りはこの特徴にも当てはまります。
・タズの走り
次に、ドバイゴールデンシャヒーンでのタズの走りを見てみましょう。レース映像だと直線途中までドンフランキーに隠れてしまっていますが、少し抜け出したところからドンフランキーと比較するとわかりやすいです。
タズはドンフランキーと比較してスタンス期中の負重時期(早期負重度)があまり変わらないことがわかります。(見慣れていないと難しいと思います。)
また、このタズの走りの特徴は、抜け出すときはもたついているのに、ゴール前では他馬を突き放せているところです。
トップスピードは他馬と同じくらいですが、ゴール前の他馬が疲労で減速するときに、タズだけがドーピングによって疲労と減速を抑えられ、突き放せたと考えられます。
今回のタズくらい強くドーピングをしていない馬であれば、スパートを開始したあとすぐに速い脚を使って追い抜いたり突き放したりできるはずです。そして最後は減速するのです。もちろん、遅い速度から加速するのが得意な馬と上がった速度を持続するのが得意な馬とでは、少し脚の使い方は変わりますが、ドーピングの有無ほど極端な変わり方はしません。
ドーピングをしていない強い馬が、スパートを開始したあとすぐに追い抜いたり突き放す例としては、2018年桜花賞のアーモンドアイや2023年ジャパンカップのイクイノックスが挙げられます。

ローレルリバー、タズの体つきを分析してみた
ローレルリバーの体つきもタズの体つきも、筋肉増強剤を使用した馬の特徴に当てはまりました。
筋肉増強剤した馬の筋肉には下の特徴があり、ローレルリバーもタズもこれに当てはまっています。(見慣れてないと、見分けるのは難しいと思います。)
静止状態のとき、筋線維に対して垂直な面で筋肉を切ったときの断面の形が、
・接線が水平に近くなる上部分の曲率が小さくなる。
・接線が鉛直に近くなる側面部分の曲率が大きくなる。
・接線が鉛直に近くなる側面部分の上部は、接線が鉛直に近くなる側面部分の下部に比べて、曲率の増加量が大きい。
・全体が水平方向に長くなる。

動いているときは、断面に対して重力が働く方向が変化すること、筋肉に働く慣性力などの力も断面を変形させることも考慮する必要がある。

他のB・シーマー厩舎の馬もドーピングをしていた
ドバイゴールデンシャヒーンには、タズ以外にもB・シーマー厩舎の馬が2頭いました。6着だった8番リーディングスピリットと、13着だった4番フリーダムファイターです。
6着だったリーディングスピリットは、走りも体つきもドーピングをした馬の特徴に当てはまりました。
13着だったフリーダムファイターは、まともな走りをしていなさそうなことと、スパート時の走りがまともにレース映像に映っていないことから、その走りを分析することはできませんでした。しかし、体つきは筋肉増強剤を使用した馬の特徴に当てはまりました。
ドバイワールドカップとドバイゴールデンシャヒーンに出走したすべての馬を分析しましたが、B・シーマー厩舎の馬以外で、ドーピングをした特徴に当てはまる馬はいませんでした。

偶然はあり得ない
ここまでそろって偶然はあり得ません。あくまで個人の感想ですが、99%ドーピングをしていたと思います。

結果は変わらないが、負けた馬たちの名誉のために
ドバイワールドカップ2着のウシュバテソーロも、ドバイゴールデンシャヒーン2着のドンフランキーも、1着馬のドーピングがなければ勝っていた可能性が高いです。それと、もし1着馬がドーピングで失格になっていれば、ウシュバテソーロとドンフランキーが1着になります。
2着と1着では、賞金の面でも、名誉の面でも、種牡馬価値の面でも、大きな大きな違いがあります。2着以下だって違いはあります。
ここからレース結果が覆ることはありません。お金が戻ってくることもありません。ですが、せめてクリーンに戦って負けた馬の名誉のために、少しでも多くの人に事実が伝わることを願っています。

課題は定量的に分析していないこと
(本当は走りも体つきも定量的に分析しないといけませんが、それは私のような理論側の人間がやることじゃない思っているので、あとものすごく大変そうなので、やりません。偉そうなことを言ってすみません。やりたい人はぜひやってみてください。そんな大変そうなこと、私は絶対にやりませんが。)