ケンタと学ぶ 相馬眼の新理論

1-17.コーナーを効率よく曲がる

コーナーを効率よく曲がる能力

コーナーは半径が小さいほど、そして曲がる速度が速いほど強い遠心力が働き、推進力が落ちてしまいます。この推進力の落ちはコーナーを効率よく曲がる能力によって少なくすることができます。

コーナーを効率よく曲がる能力があれば、(推進力を落とさずに)コーナーを効率よく曲がれるってことだね。

そうだな。小回りのコースではこの能力が重要になってくる。

コーナーを効率よく曲がる能力はコーナーを曲がるときだけでなく、進路変更のときにも役立ちます。

よく考えると進路変更は小さいコーナー2つに置き換えることができる。

なるほど。

コーナーを効率よく曲がる能力は何によって決まるのでしょうか、見ていきましょう。

背中のやわらかさ

馬はコーナーを曲がるときに少し特殊な動きをします。見てみましょう。

1.後肢の振り出し期の終わり(後肢の引き戻し期の始まり)
後肢はコーナーの外側に、前肢はコーナーの内側に向いている状態です。

2.後肢の引き戻し期の始まり~前肢の引き戻し期の終わり
後肢はコーナーの内側に向かって動き、前肢はコーナーの外側に向かって動きます。
前肢の引き戻し期の終わりには後肢はコーナーの内側に、前肢はコーナーの外側に向いている状態になります。

3.前肢の引き戻し期の終わり(前肢の振り出し期の始まり)
後肢はコーナーの内側に、前肢はコーナーの外側に最も向いている状態です。

4.前肢の振り出し期の始まり~後肢の振り出し期の終わり
後肢はコーナーの外側に向かって動き、前肢はコーナーの内側に向かって動きます。
後肢の振り出し期の終わりには後肢はコーナーの外側に、前肢はコーナーの内側に向いている状態になります。

(1に戻る)

変な動き。ネジってるんだね。

背中をネジっている。二足歩行動物にはイメージしづらいかもな。俺らとっては当たり前のことなんだが。

四足歩行でよかったね。

この背中をネジる動きをすることで、馬は重心の外側で着地することができます。コーナーを効率よく曲がることにとって、重心の外側で着地することは重要です。

重心の外側で着地するとコーナーを曲がりやすくなるのはなんとなくわかるよ。なんとなくね。

コーナーを曲がるにはコーナーの内側に向かう力を馬体に加えなければならない。重心の外側で着地するほどこのコーナーの内側に向かう力を大きくできるというわけだ。この力が大きくなれば、よりキツいコーナーをより速く曲がることができる。

背中のネジりが大きいほどより重心の外側で着地でき、コーナーを効率よく曲がる能力が上がります。

そして背中のネジりは背中がやわらかいほど大きくなります。つまり背中がやわらかいほどコーナーを効率よく曲がる能力が上がるのです。

背中の長さは関係ないの? 長いほどネジれそうだけど。

あー、確かなことはわからないが結論から言うと関係ないと思ってる。

(それは背中のネジれは波になっているからだと考えている。何というかただ単純に目一杯背中をネジって戻して、ネジって戻してしてるわけじゃない。 前肢も後肢も引き戻し期は外側に向いた状態で振り出し期は内側を向いた状態にしたい→前肢起点と後肢起点で背中のネジれ(波)が別々に発生→前肢と後肢の振り出し・引き戻しのサイクルがズレているから、前肢と後肢の向く方向の違いになる。 縄の端を持って上下に動かして波を発生させたときを思い出してほしい。波の多きさ(ネジれの大きさ)は、縄の長さ(背中の長さ)と関係ないだろ。 ちなみに背中の長さが前肢や後肢の可動域と関係がないのも、背中の曲げ伸ばしが波になっているからだ。)

まあ、背中の長さは関係ないってことだよね。

だな。

左右方向の肢の開き

前肢と後肢それぞれの、左右の肢の着地位置が狭いか広いかを見ます。これは横方向からではわかりづらいですが、前方や後方から馬を見るとわかります。

コーナーを曲がるとき馬は肢を外側に向けます。このとき左右方向の肢の開きが広いほど内側の肢に負重しやすく、外側の肢に負重しにくくなります。

遠心力に抵抗するコーナーの内側に向かう力は、馬体の外側で負重した方が強くなります。左右方向の肢の開きが狭いほど馬体の外側で負重できるため、コーナーの内側に向かう力が強くなりコーナーを効率よく曲がることができるのです。

狭い方がいいってことだね。

「いい」という表現は不正解だ。狭い方がコーナーを効率よく曲がる能力は高くなるだ。

直線を効率よく走る

コーナーを効率よく曲がる能力は高ければ高いほど「いい」というわけではありません。
実はコーナーを効率よく曲がる能力が高いと、直線を効率よく走る能力は低くなってしまうのです。

いいことばかりじゃないんだね。

背中のやわらかさと左右方向の肢の開きの狭さは、真っすぐ走るときに左右方向の微小なブレを生じさせます。このブレがロスになって、直線を走るときの推進力が落ちてしまうのです。

背中が硬いかやわらかいか、左右方向の肢の開きが広いか狭いかで、コーナータイプか直線タイプかどちらかにわかれる。
基本的にはコーナータイプは小回りコースが得意になるし、直線タイプは直線が長いコースが得意になる。

へー。

レース編の終わり

という訳でレース編はこれで終わりです。いかがだったでしょうか。次のパドック編もがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

補足も疲れるもんだな。ちょっと休憩だ。俺はトイレ行ってくるぞ。

はい。

パカラパカラ。シャアー。

…。